こんにちは!
高校野球メンタルコーチのあつきです。
株式会社 輝っかけ という会社を運営しており、高校球児にメンタルトレーニングを行っています。
本日は「弱いチームが勝つ方法」というテーマで書いてみたいと思います。
🎥 YouTubeでも同タイトルで話をしていますこちらからどうぞ
高校野球は何が起こるかわからない。
今年も数多くの番狂わせが起こりました。
公立高校が私立強豪校を倒すという事例も全国各地で起こっています。
今日は自分が好きな1冊から学んだことを中心に弱いチームがいかにして強いチームに勝利できるのか、その具体的な取り組みをお伝えします。
書籍の名前は
「JK<準備と確認>で人生は変わる 高校野球で結果を出す方法」という本です。
スポーツジャーナリストの田尻賢誉さんが書かれた本で、その中でも北海道代表として甲子園に名を連ねている北照高校の取り組みを参考にして書きました。
目次
弱いチームが勝つためにやるべきこと5選
では早速結論から書きます。弱いチームが強いチームに勝つためにやるべきこと5つはこちらです。
①あいさつの優先順位をあげる
②道具を大切に扱う
③バットを両手で置く
④グランドへの敬意を忘れない
⑤チームで徹底する
1つ1つ解説していきたいと思います。
この5つのアクションが効果的である理由
①あいさつの優先順位をあげる
弱いチームが強いチームに勝つために必要なことは応援されるチームであることです。
応援とは学校からの応援も、地域の方からの応援も、保護者からの応援も、関わる人や球児を支える人すべての人からの応援です。
そのためにできる基本的なことこそ、あいさつです。
書籍の中で北海道の北照高校が特に意識していたのはあいさつを語尾まで丁寧に言うことだったそうです。
「ちわっ!」と聞こえるような挨拶って高校野球で多いです。きちんと「こんにちは!」とハキハキ、堂々と挨拶をする。
「あっしたっ!!!」と聞こえるところを「ありがとうございました!」と丁寧に語尾まで言う。
最高のあいさつを実践した結果、周りの人からの反応が変わったと書かれていました。
球場に来ていた観客の方がTwitterで北照のあいさつは素晴らしかった!北照を応援したい!”とという書き込みがあったそうで、きちんとあいさつをしていれば見ている人がいるということを確信したという話や、他のチームの関係者や指導者の方からも北照はあいさつが変わったね、見ていて清々しくなるこっちが気持ちよくなる、と言われたこともあったとか。
高校野球で奇跡を起こすチームはとにかく応援されるチームだと僕も強く思います。まずはあいさつ。日本一のあいさつを目指しましょう。
▼別の記事で挨拶に特化して書きましたもしよければこちらもご参照ください
【メンタル】 挨拶をする意味を知っていますか?【強いチームの共通点『挨拶』】
②道具を大切に扱う
みなさん道具を大切に扱っていますか?
毎日毎日クタクタになるまで練習したあとに道具の手入れをするのを手抜きしたくなることだってたくさんあると思いますが、強いチームは例外なく道具を綺麗にしています。
小学校から高校生までの間はとくに野球の道具は親のお金で買うことが多いハズです
道具を買ってもらった当初の気持ちを思い出しながら手入れをしたり、整理することで感謝の気持ちが湧いてくるはずです。
徹底する以上はチームで徹底をする。手入れが不十分なチームメイトに対して指摘ができるくらい全員で道具を大切にするを実践していくのが大事。
「JK<準備と確認>で人生は変わる 高校野球で結果を出す方法」で書かれていた興味深かった点は
「目に見えて動かないものを揃える➡目に見えて動くものを揃える」という点です。
目に見えて動かないものとは、靴やかばんを指します。
目に見えて動くものとは、ランニング時の足や挨拶のお辞儀などです。
道具が手入れしているか、道具が揃っているか、挨拶、ランニング時に足が揃っているかに気がついけるかどうかが試合でもでるといいます。
野球のプレーで「気づく」ためのトレーニングがまさに道具を大切にすることなのです。
目に見えて動かないものを揃える➡目に見えて動くものを揃える
この2つが揃うことで次は「目に見えなくて、動くもの」が揃う、といいます。
つまり、人の心です。
心を1つといいますが、そのためにはまだ心という見えないものの前に、見えるものの一体感を追求していこうということですね。
③バットを両手で置く
書籍の中で北照高校は「簡単なことを丁寧に。誰でもできることを完璧に」を大切にしていたそうなんです。
中でもバットを両手で置くを徹底した話が印象的でした。
フォアボールやデッドボールで出塁するときに多くの選手はバットをベンチ方向に投げたりします。それを、しない。
1塁のファールボールの線に丁寧に置く。丁寧にとは、バットのグリップが地面につくまで置いて合格というレベルです。
この習慣の意図は「心のトレーニング」と書かれていました。
どんなに大量リードしていても、劣勢に立たされていてもどんな試合展開でもこの丁寧にバットを置く。
これを実践できるかどうかは心の状態の現れだと著者はいいます。
一見試合には関係ないバットを置くという動作ですが、試合に大きな影響を与えたと感じた事例が紹介されていました。
公式戦で前日に15-0と大量リードをしていた試合が雨天でノーゲームになってしまうということがあり、翌日の試合で8回までの4点リードされているという試合があったそうです。
前日にリードされていた相手に8回まで4点リードされていたら焦りますよね?
この時点で涙を流す選手もいたそうです。
そんな中打席に入った選手が冷製にフォアボールを選び、バットを丁寧に置いてからベンチに向かってガッツポーズをしたそうです。
みんながバットをちゃんと置くか注目していたシーンだったと振り返っていて、チームの流れが変わった瞬間になりました。
結果的に大逆転で勝利をします。
どんな状況でもチームでやると決めたことをやりきる。これが心の強さを生みます。
目に見えない心が、目に見える行動で現れたときチームは力を発揮します。
④グランドへの敬意を忘れない
道具への敬意とともに、グランドへの敬意も北照高校は大切にしていました。
守備位置につく際に内外手ともにフェアグラウンドの土の部分を通らず遠回りして守備につく習慣があったといいます。
そして守備位置についたときは丁寧に手のひらでグランドをならしていたそうです。
実際にこれでイレギュラーしないかとうかはさておき、習慣にすることで心が安定するという選手の感想が書かれていました。
グランドを乱さないようにする行いが心を乱さないことにつながります。
手でグランドをならすことで安心感を生み出すことができます。
この習慣をするようになってから不思議と勝負所で攻撃の際に同じグランド状況にも関わらずいいところに転がる奇跡を体験したそうです。
⑤チームで徹底する
最後は上記の4つを徹底すること。言い続けること。
続けていれば必ず見てくれる人がいる。
徹底するには言い続ける人の存在が必要です。
監督ももちろんですが、選手の中からちゃんとやろう!といえる人が増えてきたら前向きな変化が加速します。
バスに乗るときのあいさつが雑だったらやり直しするなど、習慣ができてきたあとは慣れによりマンネリもきちんと防ぐことができれば本物のチームに近づけます。
1流選手も実践している習慣
下記の写真は大谷翔平選手が高校生のときに作成した目標達成シート(曼荼羅シート)です。
注目すべきは「運」という項目です。
あいさつ。ゴミ拾い。部屋掃除。審判さんへの態度。道具を大切に扱う。プラス思考。応援される人間になる。本を読む。
いま世界が注目する大谷翔平もこのように誰でもできる簡単にできることを目標に掲げていました。
イチロー選手も道具を大切にする姿がアメリカのメディアで注目を集めていました。
イチローが道具を大事に扱う姿に米メディア驚愕「まるで子供に接するよう」
あいさつや道具を大切にすること、グランドへの感謝。
結果を出す選手だから実践しているのか。実践しているから1流選手へと成長していくのか。
僕は後者だと感じています。だからこそ、この一見地味なことの重要性をお伝えしたいと思っています。
多くの人は理解していない最も大切なこと
最後に多くの成果を出す選手やチームが大切にしていることについてお伝えします。
それはずばり、『見えない部分』です。
木で例えるなら根っこです。
木の外側に見えている幹や枝や葉っぱは他者に見られているときの振る舞いです。
ですが、根っこは誰も見ていないときの振る舞い。
たった1人で過ごす時間の過ごし方が結果につながります。
上記で書いたあいさつや整理整頓、道具への手入れやグランドへの敬意。
誰も見ていないところで実践できるかが最大の試練になります。
僕自身も大切にしている習慣があります。感謝の習慣や部屋の掃除や目標の確認など。
誰も見ていない中でこれを続けていくには意志の力が相当いります。
手を抜きたくなるとき、今日はサボろうかなと思うとき。今日はがんばったからとか自分を正当化したいとき。
数々の楽をしたいという安楽の欲求に打ち勝てる人が成果をつくっています。
僕も人が見ていないときの自分との約束を守ることに日々全力を投じています。
ですので、これを読んでくれた方で1人でもよし自分もやってやろうと思った方は一緒にがんばりましょう。
人間は正しいよりも楽しいことを続ける生き物。やるなら楽しく!楽しむ工夫を忘れずに取り組んでみてください。
まとめ
いかがでしたでしたでしょうか?
今回は弱いチームが勝つ方法というテーマで書かせていただきました。
弱いチームが勝つ方法を1冊の本、『JK<準備と確認>で人生は変わる 高校野球で結果を出す方法』
を参考にして、作中で紹介されている北海道の北照高校の事例を元にまとめてみました。
弱いチームが勝つ方法は
①あいさつの優先順位をあげる
②道具を大切に扱う
③バットを両手で置く
④グランドへの敬意を忘れない
⑤チームで徹底する
の5つです。
上記を実践した結果、北照高校のキャプテンは次にコメントを残しています。
「弱くても勝てるということを高校野球で実感しました。力がなくても勝てると高校野球が教えてくれた。大会になって練習試合で勝てなかった相手に勝てた。100回やって1回勝てるという1回を公式戦に持ってこれたんです。実力だけじゃない。普段の生活から小さなことを大事にやっていけば弱くても勝てるということを学びました。」
この年は監督には最弱の世代だと言われていたそうです。そのキャプテンだからこそ言葉の説得力があります。
“準備と確認を徹底したからといって、必ず勝てるわけではないか、準備と確認を徹底できなければ奇跡は絶対に起こらない。その確率だけは100%だ”
こんなことやって意味あるのかな?と思うのではなくて、とりあえずやってみる!やらなければ何もわからないし何も変わらない。
そして、大切なのはそれを継続すること。
さらに、継続する中で自分が最も試されるタイミングは誰もみていないときだと書きました。
継続は人間であれば誰もが難しいと苦戦することです。だからこそチャンスです。
まずはここに書いてあるあいさつや道具を大切にすることの価値を信じて実践していきましょう。
最後まで読んでくださり本当にありがとうございました!