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作成日:2021.11.02 更新日:2021.11.03

【高校野球✕メンタル】逆転負けをしてしまう理由〜勝った!と思ったときに脳が引き起こす働き〜

おはようございます!高校野球メンタルコーチのあつきです。

 

今日は

【高校野球✕メンタル】逆転負けをしてしまう理由〜勝った!と思ったときに脳が引き起こす働き〜

というテーマで書きます。

 

油断大敵という言葉があります。

「勝った!」と思ってしまうシーンが試合の中ではありますよね。

まだ終わってはいないのに、気を緩めてしまって逆転負けをしてしまった。

そんな経験をお持ちではないでしょうか。

 

スポーツ以外でも仕事をしていて「よし!これでもう大体終わりだな。」と思ってしまうことが僕にはよくあります。

 

このようにスポーツでも仕事でも「勝ったな」とか「終わったな」と思うときに脳がどんな反応をしているのかを解説します。

 

逆転負けをしてしまう理由

 

先に結論をお伝えします。

逆転負けしてしまう理由は、

脳が「もうがんばらなくてもいいよ〜!」と指令を出しているからです。

 

え?どういうこと?って思う人続出だと思うので解説します笑。

 

野球で例えるならリードしている9回2アウトのシーン。このバッターを抑えれば勝ちだ!このような状況でどうしても

「勝ったな」「これで試合修了だ」「嬉しい」そんな気持ちや感情が湧き上がるのは自然ですよね。

 

まさに、このときに脳は「もう終わりだよ〜がんばらなくても大丈夫だよ〜」という司令を出します。

なぜか?

 

自己報酬神経群という細胞群があります。自己報酬神経群は「自分自身に対する報酬=ごほうび」を与えられることで機能するようになっています。

 

自己報酬神経群は「〜しそう」という期待で働く!

ここで抑えておくべきポイントを紹介します。

この自己報酬神経群は「ごほうびが得られた!」という結果でなく、「ごほうびが得られそうだ!」という期待で働くという点です。

つまり、脳が「出来た!」「終わった!」と判断した瞬間に脳が「もうがんばらなくていいよ〜」という信号を発信します。

 

実際は勝っていなくても、終わっていなくても、「勝てそう!」「終わりそう!」でこの機能は働いてしまうのです。

この機能を許してしまうと気の緩みが生じてしまい、集中力が下がる、パフォーマンスの低下につながります。

 

スポーツ以外でもよくあるのではないでしょうか。

大体終わったー!と思っていた作業をやりきらずに残しておくと驚く程にモチベーションが下がり効率が落ちて最後の完成まで時間がかかってしまう。

僕はよくありました。いまもあります。

 

ではどうすればよいのか?

勝ちが近づいてきていたり、終わり・完了が迫ってくるとパフォーマンスが低下してしまう。

では、どうすればよいのか?対処法を最後にお伝えします。

 

対処法①言葉の力

1つ目の対処法は「言葉の力」です。言葉で心の状態に変化を与えることができます。

「勝てる!」この気持が現れそうなときは「ここからだ!!!」と大きな声で言いましょう。

 

勝てそうなときほど「ここからだぞ!」「まだまだ!」「最後の仕上げをしよう!」「最後まで!」「次が大事だぞ!」

こんな風に終わりそうという期待感を断ち切るような言葉を意識的に活用します。

 

メンタルトレーニングでは定番のセルフトーク(自分で自分を勇気づける言葉)を活用するのも効果的ですし、

仲間同士でこの言葉を言い合う雰囲気を日頃からつくっておくことも大切です。

 

脳は言葉に反応します。「まだ終わっていないんだ!」という状態を脳に思い込ませて自己報酬神経群の働きを抑えましょう。

 

対処法②交感神経の働きの活性化を意識する

「ご褒美が得られた」という感覚がパフォーマンスの低下につながります。この状態は気の緩み、とも言えます。

能力の発揮には自律神経との関係性が深くあります。自律神経は交感神経と副交感神経があり、それぞれブレーキとアクセルの役割を担っています。

 

もうすぐ試合が終わりそう。勝てるぞ!というときに「楽に行こう!」「リラックスしていけよ」という声がけをされる人もいますが

ここは気を引き締める「こっからだぞ!」「集中していけよ!」といったような気持ちを高める系の言葉がけの方がおすすめです。

 

交感神経は緊張を高める働きがあり、逆に副交感神経はリラックスを促す働きがあります。

もうすぐ終わりというときこそ気が緩みやすいので、しっかりと適切な緊張状態に持っていくことを意識してみましょう。

 

交感神経への刺激は前向きな言葉とそして、前向きな動作でできます。

 

「よし!」「ここからだ!」「自分を信じろ!」などの自分を勇気づける言葉と一緒に

胸を拳で叩いたり、両手を上にあげたり、動作を付け加えるとより脳に前向きなイメージが伝わります。

気持ちを高めたあとは深く呼吸をして集中状態をつくりましょう。

 

あと少しというときこそ丁寧にメンタルに関するルーティーンをこなすのが重要です。

 

📝ルーティーンに関してはこちらの記事でも触れておりますのでよかったら御覧ください

試合中にイライラしてしまうときの対処法【高校野球メンタルコーチQ&A】

 

対処法③日頃からやりきる癖をつける

3つ目の対処法は日頃からやりきる癖をつける。です。

普段から最後までしっかり手を抜かずにやる!を習慣にできている選手は本番でも勝ち切る力を持っています。

 

ご飯を食べたらちゃんと洗い物のところまで持っていくとか、テストを受けているときに制限時間いっぱいまで確認したり、

ウェイトトレーニングを最後の1回まで全力で取り組む。など日頃の生活や練習の中でやりきる習慣をつける場面はたくさんあります。

 

終わりそうだと感じたときは「ここからだ!」と言い聞かせながらやりきる経験を積み重ねてみてください。

小さなやりきり体験でも十分効果があります。やりきる癖、日頃からつけてみてくださいね。

 

まとめ

というわけでいかがだったでしょうか?

今日は、【高校野球✕メンタル】逆転負けをしてしまう理由〜勝った!と思ったときに脳が引き起こす働き〜

というテーマでした。

 

逆転負けしてしまう理由は、脳が「もうがんばらなくていいよ〜」と司令を出しているから。

脳が指令を出してやる気を低下させる原因は自己報酬神経群という機能である。

自己報酬神経郡は「〜できそう / 終わりそう」という期待した時点で働き始める。

本番で最後まで勝ち切るためには①言葉を変える②緊張感を高める③普段からやりきる癖をつけるという3つの対処法が有効。

 

株式会社 輝っかけでは高校野球に特化したメンタルトレーニング事業を展開しています。

メンタルトレーニングを通して高校球児の可能性が輝くきっかけづくりを目的に活動しています。

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最後まで読んでくださりありがとうございました♫

 

著者情報

株式会社輝っかけ 代表取締役 増田 篤紀

高校野球に特化したメンタルトレーニング専門会社。高校野球が好きという理由で甲子園に住んでいる。独立後、1年目から全国6チームのメンタル面・心の強化を支援。理念は「輝く人が溢れる世界をつくる」。