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作成日:2021.08.17 更新日:2021.08.19

降雨コールド 大坂桐蔭vs東海大菅生〜高校野球メンタルコーチが語る今日の甲子園〜

8月17日(火) の甲子園をみていて感じたこと

大坂桐蔭vs東海大菅生

音声配信メディア stand.fmで話してました。

聴いてみてください♪

📻降雨コールド 大坂桐蔭vs東海大菅生〜高校野球メンタルコーチが語る今日の甲子園〜

こちらから聴けます♪

 

8月17日(火) 大坂桐蔭vs東海大菅生

今日も高校野球メンタルコーチが選ぶ今日の甲子園。

大坂桐蔭vs東海大菅生高校の試合を振り返って思ったことを書きたいと思います。

今日はこの一試合だけでしたね。雨で2試合目以降は順延になってしまいました。

1試合目も9回まで試合をすることはできず、降雨コールドで大坂桐蔭が7-4で

東海大菅生高校に勝利するという結果でした。

 

この試合皆様、どう感じたでしょうか。

なんとも言えない試合の終わり方でしたよね。

 

両キャプテンが主審の方に呼ばれて一言、二言かけられて

ベンチに戻っていき、試合終了が告げられました。

 

大阪桐蔭のベンチの選手も笑顔で喜ぶ選手はなく、

表情からは最後まで9回までやりたかった気持ちがなんだか感じました。

 

東海大菅生のベンチの選手も、降りしきるあめをみつめる選手や、

事実を受け入れようとしながら涙を浮かべる選手もいました。

 

3点を追いかける東海大菅生は

ランナー1,2類のチャンスだったんですよね。

 

まだ2イニング。逆転の可能性は十分ありました。

“残り2インニングあれば。”

そんな思いで甲子園のグランドを見つめる選手も

いたことだと思います。

 

本当に悔しい結果ですが、この試合が

東海大菅生のみなさんのこれからの人生の糧と

なることを信じて願うばかりです。

 

お互い悪天候の中ベストを尽くそうという気持ちを感じたシーン

 

この試合の中で心に残ったシーンをいくつか話します。

 

1つは8回の表の東海大菅生の攻撃で打者がピッチャーの

本田くんの打席で空振りをしたときに

バットが手からすっぽ抜けて1塁側のベンチの前に

バットが飛んでいってしまうシーンがありました。

 

それをみた大坂桐蔭の選手がすかさずバットを拾い上げて

本田くんにバットを渡しにいくのですが、

渡す前にベンチからタオルで受け取って

地面に落ちたバットをタオルでキレイに拭き上げて

相手打者に渡すというシーンがありました。

 

いいシーンでしたね。

 

悪天候の中、お互いベストを尽くそうなと

そんな気持ちの現われだったんじゃないかなと思います。

大坂桐蔭、最強チームで優勝候補です。

 

強いチームだから相手チームへの気配りができるのではなく、

こういう野球以外の人間力を日々磨き上げているから強い。のだと

僕は思います。

 

東海大菅生 本田くんのインタビューに感動

 

もう1つ心を打たれたのが負けてしまった東海大菅生の本田くんのインタビューでした。

インタビュアーが雨の影響で力を出しきれなかったかもしれません、そのあたりいかがですか?

と聴いていました。

 

実際マウンドで投げ終わった後に転倒していたりしていたんですね。

それくらい足元もゆるくてぬかるんでいました。

 

その問いかけに対して、本田くんはこう答えていました。

 

「グランド状況が悪いのはどうしようもないことでしたし、雨の中でいうと割には

いいピッチングができたのではないかと思ってます。」

 

また続いての質問、雨の中どんなことを考えて投げていたのですか?という問いに対しては

 

「投げづらかったですが相手も同じ状況だったので気持ちで抑えようと思っていました」

と答えていました。

 

相手も同じ状況だから、というのを強調していました。そしてそのあとに

「マウンドに阪神園芸の方が何度も土を入れてくださったことがすごく嬉しかったです」

と阪神園芸の方への感謝を口に出していました。

 

一番本田くんが言葉を詰まらせていたのが、キャッチャーの福原くんの質問を受けていたときでした。

キャッチャーの福原くんが何度も何度もマウンドに来て話をしていたのはどんな言葉をかけてくれたのですか?

という質問に対しては、

 

「必ず点を取り返しますっていう言葉をかけてもらいました。その言葉を聴いて自分1人で戦っているんじゃないって

感じることができました。」と答えてました。

 

キャッチャーの福原くんは2年生で本田くんの後輩なんですよね。

福原くんを東海大菅生に誘ったのは本田くんだったみたいですね。

最後の方に「本田くんが福原くんをこのチームに誘ったんですよね?」という

質問のときにこみ上げる涙を流しながら言葉を詰まらせていました。

 

福原選手がいなかったら自分は甲子園で投げれていませんでした。

っていう言葉や

 

福原くんとバッテリーを組めて最高でした。って言ってました。

 

降雨コールドという結果ではありましたが

『最高のバッテリーが組めました』っていう言葉が

すごく爽やかで印象的でした。

 

最後の夏みんなと力を出し切れましたとも言ってましたね。

 

この姿、本当に立派だなって思いました。

複雑な心境や感情はあったと思うのですが、

起こってしまった事実を受け入れて、試合直後にも関わらず

前を向いていこうとする姿勢は本当に立派でしたね。

 

雨天の中必死にプレーをした両チームから学べること

 

本田くんのインタビューの中から強い心の保ち方のヒントが

隠されている気がしました。

 

雨っていう悪天候は相手も同じなんだっていうことを

口にしていたのが素晴らしいなって思った点です。

 

相手も同じですよね。思うようにプレーができないことは。

 

なんで自分たちの試合の日に雨が降ったんだとか

うまくいかない理由を探すのは簡単です。

 

でも相手のその状況の中必死にやっていることを忘れてはいけない。

 

相手だって必死だ!だから自分たちもこの環境でベストを尽くそう。

このマインドが心の強さにつながっていると思います。

 

あとはインタビューで本田くんが足元が悪いマウンドでしたが

阪神園芸の方が土を入れてくださったことが嬉しかったです、感謝してます。

って言えていることがすごいですよね。感謝の気持ちをどんなときも持つ。

繰り返しますが立派でした。

 

この試合の降雨コールドという結果や状況判断に関して

様々な意見が飛び交ってはいますが、僕として大会の運営に意見することはなくて

非常に判断が難しい中運営をしようとしたことにリスペクトしています。

 

雨の中やらすのはかわいそうだという意見もありました。

 

ただ大事なのは球児の気持ちだと思います。

雨を言い訳にせず全力で野球をする姿、心に焼き付きました。

感動しました。

 

残念には思う部分はありますが、この環境でも戦った経験は

きっとこれからの人生で大きな財産になると思います。

 

雨の中ベストを尽くした両チームに感動いただきました。

 

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著者情報

株式会社輝っかけ 代表取締役 増田 篤紀

高校野球に特化したメンタルトレーニング専門会社。高校野球が好きという理由で甲子園に住んでいる。独立後、1年目から全国6チームのメンタル面・心の強化を支援。理念は「輝く人が溢れる世界をつくる」。